日本共産党さいたま市議団主催で
「マイナンバーを斬る」
と題した学習会を開きました(12月23日)。

当日は120人もの方にご参加いただきました。

小雨の降る足元の悪い中、
ありがとうございました。

埼玉中央法律事務所の青木努弁護士から
制度の概要や問題点、どう対応したらいいか、など
パワーポイントを使いながら説明。

↓お話しする青木弁護士
1512 マイナンバー学習会 (1)

現時点では、あまり心配しすぎず、騒がないで、
と落ち着くよう呼びかけつつ、
個人番号カードを慌てて作る必要はないことや、
マイナンバーを使った詐欺への対応
(電話で個人番号を教えない!)、
職場での対応
(提出義務も罰則もなく、出さないことで不利益があってはならない)など、
どう対応したらいいかについて具体的な話もされました。

マイナンバーの心配を悪用した詐欺ということでは、
注意喚起が様々なところで行われていますが、
手口を網羅的に紹介していると(個人的に)感じたのが、
「読売」の記事だったので、下にリンクを貼っておきます。


【読売】マイナンバー詐欺が多発、3つの手口に注意を
http://www.yomiuri.co.jp/science/goshinjyutsu/20151009-OYT8T50152.html

参加者のみなさんから、
「分かりやすかった」
「どうしたらいいか分かった」
という感想を寄せていただきました。

マイナンバーに関する党市議団の議会論戦については
私から報告させていただきました。
ブログの最後に原稿を掲載しておきます。
(だいたいこれまでブログに書いてきたようなことばかりですが…)

「時宜を得た学習会だった」
「ときどきの話題のテーマでこうした学習会を今後も開催してほしい」
などの感想もいただきました。

毎年1回くらいはこうした学習会やシンポジウムを開催してきているので、
今後も党市議団としてこうした学習会を開催したいと思います。


1512 マイナンバー学習会 (6)


党市議団主催学習会「マイナンバーを斬る」への
私の報告は大要以下の通りです。

私のほうからは、マイナンバーについて、議会で党市議団がとりあげてきたことや、この間よく寄せられる質問に答える形で報告します。

マイナンバーは届いたでしょうか。まだの方、いますか? さいたま市では、5.6%、31千通余りが帰ってきている状態です。届いていない場合、何か問題があるのか、議会で質したところ、なくても大丈夫、ということでした。また、区役所などで何か手続きをするときにマイナンバーを求められたとき、家に忘れてしまった、という場合にはまた家に帰って取りに行ってられませんよね。これも家に忘れたと申し出れば大丈夫です。行政のほうで調べればわかるわけですから。こういうと、結局マイナンバーというのは市民にとってはなくてもいいものだということがお分かりいただけるかと思います。

 ちなみに、通知カードや個人番号カードをなくしてしまった場合は、その旨を市に申し出てください。違う番号をもらえます。それもうれしくないのですが、悪用されるよりはましなので、気づいたらすぐに対応したほうがいいと思います。ちなみに、家での保管場所としては通帳や実印などと同じようなところにしまっておくといいのではないかと思います。

それから、いま郵便で届いているのは、「通知カード」というものです。送られてきた封筒の中に、「個人番号カードを申請しましょう」というのが入っています。顔写真入りで、通知カードのような紙っぺらではなく、ICチップまでついている免許証とかみたいに証明書代わりになるという代物です。「申請しましょう」と呼びかけられていますが、あくまで任意です。なくても大丈夫です。むしろ、なくしたときのことを考えると、どうしても必要、という人以外は個人番号カードはつくらないいほうがいいのではないかと思います。

マイナンバー導入の理由として利便性が向上する、つまりいろいろ便利になる、ということが言われていますが、市は、個人番号カードの独自利用も検討しています。

例えば図書館カードとして、あるいは市立病院の診察券として、またコンビニでの住民票などの取得などです。便利だと言い立てて、カードを使える場を増やそうとしているわけですが、マイナンバーは個人情報だと言いながら、個人番号をいろいろな人の目に触れさせることになるのですから、これは非常に矛盾しています。

私はこの矛盾を指摘し、利用範囲を広げないよう質したのですが、市の答弁は「適切に運用される」と木で鼻をくくったような回答にすぎませんでした。引き続き、利用範囲の拡大には注意が必要だと考えています。

それから、マイナンバーの問題にセキュリティ対策、情報漏れの問題があります。日本共産党は、データを盗み取ろうとする人がいる限り、絶対安全なシステムはつくれない、と考えています。いわゆるハッキングといってコンピューターに侵入してデータを盗むというやり方もそうですし、職員が仕事のためとしてデータを自分のパソコンに移して、その個人のパソコンがウィルス感染して流出したり、人間が持ち出してしまう、ということも起こります。どれも全国の自治体や企業で実際に起こっていることです。市は職員のセキュリティ教育をしてきたし、今後もやるといっていますが、それも各部署の代表者を集めて、各課の職員に伝達するというやり方ですから、一人一人の職員にどれだけしっかり伝わるか、疑問です。会社も所得税の処理のために従業員やその家族のマイナンバーが必要になるのであつめなければなりませんので、会社からもれる、ということもおこることでしょう。
 それから私は、議会でマイナンバー制度は行政内部で情報利用することもあり、抜け道、例外がある問題をとりあげました。

個人番号法の19条では例外が列挙され、例外の一部は「施行令」でさらに別途26項目にわたって警察や公安警察の捜査などで、本人の知らないところで情報提供していいことになっています。

基本的には行政がマイナンバーに基づく情報を利用した場合、インターネットの個人ページ(マイナポータルという)で確認できることになっています。

ところが、施行令にもとづく情報提供は確認できません。私たちが知らないところでいつの間にか、警察や公安が個人情報を収集している、ということが仕組みとしては可能です。そして、こうした情報収集が適正に行われているか、監視する制度はありません。私は議会で、過去に警察や公安が住民運動を監視したり個人情報を違法に収集してきた問題が発覚していることを指摘し、個人情報保護委員会に監視の権限を持たせるよう国に求めるべき、と市を質しました。市は、「提供した個人情報は適正に利用されるものと認識している」と、これまた木で鼻をくくったような答弁でした。

 さらに費用の問題もあります。今年度、マイナンバー関連でさいたま市は7億円以上使っています。システムの運用コストについても12月議会で鳥海議員が質しましたが、いまだにわからないとのことでした。多額の税金を投入して、個人情報を危険にさらす、というのがマイナンバーの正体です。

 党市議団としては、市に対しマイナンバーの中止、少なくとも実施延期を国に求めるよう主張しているところですが、当面はマイナンバーとつきあっていかなくてはなりません。ご質問等ありましたら、このあと出していただければと思います。私からは以上です。



長々とした文章にお付き合いいただき
ありがとうございました。