私は、2017年から3年間にわたって、中学校部活動の改善について繰り返し取り上げてきました。
ここ数年で、部活動についてさいたま市議会で最も系統的に取り上げてきました。
これまで質問してきたことを(主なものだけですが)まとめました。
1909 決算(文教・松村)

↑2019年9月議会決算委員会で部活動について質問


さいたま市でも全国でも中学部活動の在り方がたびたび問題になっています。
昨年5月には市内中学校生徒が部活動の指導を苦に自死したという告発もされています。


東京新聞:中1自殺「顧問が原因」 さいたま、昨夏に 指導巡り遺族訴え:社会
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019070202000157.html

長時間活動で生活や勉強とのバランスを崩している、
大会期間中の授業の在り方に疑問がある、
といった声も寄せられてきました。

さて、さいたま市でも来年度から部活動が任意加入になる中学校が出てきたそうです。
教育委員会に問い合わせたところ、教委の方針ということではないということでしたが、
学校長の裁量でできることだ、という確認もできました。

今年(2019年)2月の予算委員会で私は文化庁がつくった文化部活動のガイドラインを紹介して、
「各学校においては、生徒の自主性、自発性を尊重し、部活動への参加を義務付けたり活動を強制したりすることのないよう留意すること、とある。どうとらえているか」と質問したところ、
教育委員会は「自主的、自発的な参加が大切だと認識している」と答弁して逃げようとしたので、
私は重ねて「現実にはほぼ義務、強制になっている」と指摘しましたが、
教育委員会は「学校長のもとに決定している」と答弁。
当時は「逃げた…」と心の中で思いましたが、その通りの展開になりました。

部活動が中学生の負担になっているケースも少なくないなかで、任意制に踏み切る中学校が出てきた意義は大きいと思います。
私の議会質問も一助になっていたならうれしく思います。


文化庁:文化部活動の在り方に関する総合的なガイドライン
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kondankaito/bunkakatsudo_guideline/h30_1227/index.html

私は現さいたま市域の出身ではないので昔からのことは分かりませんが、さいたま市の中学校部活動はずいぶん加熱した状況にあると感じています。

「長時間の練習や厳しすぎる指導で子どもが心身の病気になってしまった」
「土日も長時間練習してへとへとで勉強もろくにできない」
という話を伺ったこともあります。

生活と部活、休養のバランスを欠いた活動になっているケースが見受けられます。


中学生の多感で伸び盛りの時期に、学校の中に子どもを縛り付けておくことにどれほどの教育的意義があるのか、たいへん疑問です。

子どもの心身の成長は様々な要素がからみあいます。
決して学校で評価される事項だけで子どもが学び、成長するということではないと思います。

また社会的にも部活動の在り方(指導、練習時間など)や、部活動が教員の長時間勤務に影響していること、全員顧問制が教員に負担になっていることなどが社会問題になってきています。

2017年に文教委員になったこともあり、私としてはその年の6月に初めて部活動のことを議会で取り上げました。

そのときは、「部活動ガイドライン」をさいたま市でも策定するよう求めました。
質問準備にあたり、他の政令市を調べてみると、福岡市や京都市などいくつものところですでにガイドラインがつくられていたのでさいたま市も早くつくるよう求めました。
教育委員会は「2018年3月に国がガイドラインをつくる。動向を見て準備を進める。」という姿勢でした。

2018年8月に「さいたま市 部活動の在り方に関する方針」として部活動ガイドラインができましたが、冒頭で紹介した中学生の自死は2018年5月でした。
「もっと早くガイドラインができていれば…」と思わずにはいられませんでした。
それで防げたかどうかは分かりませんが、それでも忸怩たる思いを持たずにはいられません。

さいたま市:さいたま市部活動の在り方に関する方針
https://www.city.saitama.jp/003/002/002/p061392.html

私は、ガイドラインがつくられた直後の2018年9月議会にも、ガイドラインの内容に関して実効性あるとりくみになるよう質問をしました。
教員の勤務時間や手当て、指導の在り方や研修、大会の見直し等々。

ガイドラインができたあとも、部活動に関する相談が寄せられています。
活動時間や土日の活動などでガイドラインが守られていないことや、
顧問の負担軽減に部活動指導員が配置されたがごく一部で、教員の負担が全体としては変わっていないことなどなど。

私は部活動の在り方を抑制する方向で質問をしてきましたが、
子ども、保護者、教員、地域がみな同じことを考えているとは思っていません。
かなり認識のギャップがあると感じています。

当面はガイドラインを基本にして、子どもの生活バランスがとれるあり方に見直していくことが重要だと考えています。

今回、部活動の加入を任意にする学校も出始めました。
子どもや保護者がどう反応するかはわかりませんが、部活動の一番の主役は子どもたちです。
親の考えや思いも伝え、子どもの意見を尊重して決めていくことが大切だと考えています。

また、部活動のありかたへの意見は子どもや保護者によってもまちまちでなので、丁寧な対応が学校や教育委員会には求められると考えます。
特に大人である保護者や教員は、異なる意見を尊重する態度が(子どもの手本という意味でも)求められます。

同時に、部活動指導ガイドラインは
「休養」「健康管理」「体罰・ハラスメントの根絶」「科学的トレーニング」「大会・コンクールの見直し」などがキーワードになっていると思いますが、これらのことは子どもの人権や教育環境を整える観点で多くの人が一致できることだと思います。

ぜひ、保護者の方は一度目を通していただくことを希望します。
部活動の在り方に疑問を持っている方はガイドラインをもとに学校の先生や周りの方と話し合っていただければと思います。

ちなみに、顧問の先生たちは、土日の引率や練習に出てもわずかな手当てしか出ません。
「部活動は業務なのか」という私の質問に教育委員会は「その通り」と答えています。
私は「業務であるなら、土日の部活動には時給換算相当で支給するべきだ」と求めてきました。
とにかく、部活動に関する事柄はどの面をとってもブラックな側面が顔をのぞかせます。

部活動が教員の勤務時間を長くして追いつめている状況もあります。
12月議会の一般質問で、私は教員の勤務状況を確認しました。
そのときは変形労働制の導入よりも教員増と業務削減をすべき、というのが質問の主題だったのですが、下の表のような実態が答弁で出てきました。

1912 教員勤務時間

小学校と比べ中学校のほうが明らかに残業時間が長くなっています。
(これは全国的な傾向でもあります)
この質問で、私は「差が出る大きな要因は部活動にある」と指摘したのですが
答弁した教育長も「中学校の教員の働き方改革については部活動のありようが一つ大変大きなキーを握っている」との認識を明らかにしました。
1912 一般質問(松村) (3)
↑2019年12月議会一般質問

子どもたちと日常的に接する教員が余裕をもって、子どもたち一人ひとりに目配りができるようにしたり、授業準備にしっかり取り組めるようにするためにも、部活動の在り方は変えていく必要があると考えます。

子どもたちの学びと成長を保障することは学校の大きな役割だと思います。
そして、子どもたちの意見や生活、健康を大切にしながらその環境を整えることは大人の責任ではないでしょうか。

・・・という思いでこれからも取り組んでいきたいと思います。