時間が経ってしまいましたが、昨年12月議会文教委員会での校則に関する質問の報告です。

12月議会は全体ではコロナ対応が一番の議論になったわけですが、もちろん生活は続いているので、様々な要求・課題についても党市議団として取り上げています。
そのなかで私は今回、校則についてとりあげました。

昨年(2020年)9月議会でも校則についてちょっとだけとりあげたのですが、そのときに市教育委員会が
「『不合理な校則の見直しプロジェクト』を立ち上げた」という答弁をしました。

その時の市教委答弁は以下の通りです。

校則を定める理由は何か?
「小学校、中学校、学校種に応じて、やはり児童生徒の発達段階がかなり違ってきます。児童生徒に必要となる決まりをそれぞれの学校で定めているというふうに捉えております。

校則見直しのプロセスは?
「今年度(2020年度)なのですが、教育委員会のほうでは不合理な校則の見直しプロジェクトというものを立ち上げました。手続ということなのですが、校則につきましては、最終的には学校長が学校の責任において決めるわけですが、そこに至る過程では、児童生徒や保護者の意見を聞いたり、児童生徒の話し合う期間を設けたりして、教職員の話合いを経て見直しを図っているところでございます。また、先ほどの見直しプロジェクトにおいては、教育委員会といたしましては、そういった生活の決まりが形骸化することのないように、しっかりと見直しを図るように指示しております。」

国会では「校則の内容については学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化に応じて、絶えず積極的に見直す必要がある」(2020年2月・萩生田文科大臣)という答弁もありました。
社会的にも「ブラック校則」として社会問題にもなってきたなかで、さいたま市も考えはじめたということでしょう。

ただ、この時は時間切れでほぼツッコミなしで終わってしまったので、12月議会で「続き」的な質問をしました。

質問内容を6分ほどの動画でまとめたので、ご覧ください。




以下は動画と被る内容ですが、質問と答弁を紹介します。

校則を決めることには色々な議論があります。
私は、もっと簡易な約束程度のもっとゆるくていい、という考えを持っていますが、市教委は必要だから決めているというスタンスです。
保護者の間でも意見は様々でしょう。

こうしたなかで校則を単に否定しても平行線になってしまうので、校則を定める理由をまずハッキリさせようと校則が必要な理由を質問しました
校則に関する認識の違いを明らかにして、今後の議論の土台にしたいと考えたからです。

答弁は以下の通りです。

「中学生になると行動範囲も広がり、加えて思春期という心の変化も迎えていく中で、反発心が高まったり問題行動などが表れやすく、また身なり等にも関心を持つようになってくるといった特徴が一般的に挙げられます。 そういった中で、問題行動への予防や対策、また規律や社会的ルールを学ぶ場として、子供たちの規範意識を育成していくことが重要になってまいります。そこで、中学生という時期には、頭髪あるいは服装等に関する一定の決まりが必要になる時期であるというふうに考えているところです。」

「校則は子供たちが健全な学校生活を営み、よりよく成長していくための行動の指針として必要となる決まりを、各学校において適切に判断し定めているものでございます。また、一律の基準があるものではなく、子供たちの実情、保護者や地域の皆様の考え方、あるいは社会通念などが反映されるものでございます。したがいまして、これらに応じて校則の内容や指導が適切なものとなるよう見直しをしていく必要があるというふうに捉えています。」

長くなってしまいましたが、市教委のスタンスが表れているので、紹介しました。

これに対し、私としては、中学生になったから、と校則であれこれ縛るのではなく、
「中学生になって発達段階が上がったからこそ、より自ら判断する力を育てていくことが必要。発達段階から言えば、より自分で選んでいく力を身に着けることの方が大事と考える」
ということを述べましたが、この辺の感覚のずれは大きいので繰り返しの議論が必要と感じています。

今後の校則見直しの方向性についても質問しました。
「不合理な校則」「社会通念などが反映」といってもその内容が定かでないため、2点ほど質しました。

一つは「ジェンダーの視点」です。
例として「女の子はスカート」、「髪型を男女別に決める」ということや「ルーツが様々な子どもがいるもとでの多様性の尊重」を指摘して
「ジェンダーの視点からは、あれこれ校則で決めてしまうのは問題がある。見直すべき点の一つではないか」と質問しました。

学校教育部長は「教育委員会としてもジェンダーや多様性を尊重することはとても大事なことだ考えいる。校則を見直すうえで十分に配慮する視点であるという認識で進めたい」と答弁しました。

おそらく「ジェンダーや多様性の尊重」の具体的中身について、学校現場では旧態依然とした実態がまだあります。

1月に予定されていた(中止になった)校外学習の保護者説明会に行ったとき、学校の様子を話した先生は「お母さん方」という呼びかけを何度もしていました。
私だけでなく、男性の保護者も何人かいましたし、家庭の事情によっては父母でない保護者の方もいることでしょう。

言葉の上で「尊重します」と表明するのは簡単ですが、そのことが組織として実際に共有されているのか、は別の問題だと思い知らされるできごとでした。

他にもジェンダーに関する相談がこの間、いくつか寄せられています。校則見直しの議論の中で認識がお互いに深まるよう努力したいと思います。

もう一つ質問したのは、「スクールセクハラや人権侵害につながる校則には効力がないと考えるか」ということです。
「校則を守らせる」ことが目的になって下着チェックや髪の染色強要などが全国で問題になっています。「校則見直し」のなかでかえって抑圧的になってしまってはならないという思いで質問しました。

答弁は「人権侵害あるいはスクールセクハラに結びつく校則の指導は報道を見て驚いた内容もあった。教育委員会としてはこのような指導は看過できない」というものでした。

聞いたこととずれた答弁にはなっていますが、「ダメだ」という認識は確認できたかなと思います。

ただ、これも学校現場でどうなっているか、についてはジェンダーの問題と同様、課題がまだあると思います。
特に「校則を守らせる指導」は文書にはあらわれてきません。問題と思うことや実態があれば情報をお寄せください。取り上げていきます。

今回の校則についての質問時間は、関係もあって、教育委員会の認識を確認する質問が主になってしまいました。
私自身は、いまのさいたま市立中学校は子どもたちを抑圧しすぎていると感じています。ギュウギュウ締め付け追い立てすぎていると感じています。

ジェンダー平等や子どもの権利といった近年、大きな社会課題となっている問題に学校教育が対応できていない現状が反映しているのではないでしょうか。

引き続き、子どもたちが自分らしく学校生活が送れる、子どもたち一人ひとりが尊重される教育環境づくりにとりくんでいきます。


2012 議案外質問(松村)