松村としおのブログ

  ★くらし・平和を守る政治を! 松村としおの活動日記★ さいたま市議会議員(緑区選出・日本共産党)

議会

2022年9月議会*一般質問 保育料の引き下げ、校則見直し、加田屋川整備など求めました

 9月13日、9月議会本会議で一般質問をおこないました。

さいたま市の保育料は高すぎる。引き下げるべき!

  市外から引っ越してきた方からの「保育料の高さに驚いた」との声を紹介しつつ、パネルを示して、さいたま市の保育料が隣接市と比べもっとも高く、最高額の平均で月1万円近く高額であることを明らかにしました。

 隣接市で最も安いのが朝霞市ですが、毎月約1万9千円、年で約23万円もさいたま市のほうが高いのはさすがに問題があるのではないでしょうか。
 また保育料は所得が多い人ほど高い段階的な設定(所得階層区分)になっています。さいたま市は11段階ですが、隣接市のなかでもっとも階層が少なく(隣接市平均は16段階)、所得に応じた負担とかけ離れていることを示して質問しました。

【質問に使ったパネル】

2209 隣接市保育料比較

松村 物価高騰、かつコロナ禍で経済状態も厳しい今こそ所得階層区分を細分化し最高額を引き下げることを提案する。

子ども未来局長 本市は隣接自治体のなかでは最高額だが、政令指定都市との比較では中位程度。階層区分も最も少ないが、細分化すれば保育料が上がる方もいる。保育料が上がる利用者の経済的影響に配慮する必要があり今後適切な時期に階層区分を見直したい。

松村 階層区分を見直しても、同時に保育料を下げれば負担は増えない。

子ども未来局長 今も保護者負担軽減のため国基準の最高額10万4000円の70%程度にして差額は市が負担している。保育サービス維持には保育料を維持する必要がある。

 

 松村市議は「保育料を下げて市が補填すればいいではないか」と他市同様に財政投入をして実現するよう求めましたが、子ども未来局長は保育料引き下げを拒否しました。

 

校則見直しに子どもの権利の明記を

  私はこれまでも校則の見直しを議会でとりあげ、改善が進められてきました。ツーブロックや女子のスラックスを認める学校が広がっています。

 

松村 文部科学省が指導提要を見直し生徒指導の留意点の第一に子どもの権利への理解を促している。校則見直しの学校通知に子どもの権利を明記することを提案する。

副教育長 教育委員会は子どもの自主性を非常に重視しており、記載の必要はない。

松村 その答弁なら子どもの権利を書いた方がいい。子どもの権利が学校で大切にされるように求める。

 

 国が姿勢を変化させているにもかかわらず、市教委は子どもの権利と向き合う姿勢が不十分であることが浮き彫りになりました。

 

農業支援の強化を求める

  気候変動により豪雨災害が多発しています。さいたま市も3年前の台風19号による被害が各地で出ましたが、見沼田んぼでは加田屋川の整備の遅れから農地が冠水し、農産物も大きな被害がありました。

 

松村 加田屋川の整備を早急に進めることが必要。現状は荒れ放題で景観上も農業振興上も問題がある。管理、清掃の計画をもつべき。

建設局長 加田屋川を含む芝川流域の未改修区間の早期整備を埼玉県に要望していきたい。整備までのあいだ、本市が維持管理を行うことになっており、定期的にパトロールして適正管理に努めたい。

 私は「定期的に見回るのはいいが、加田屋川の整備には時間がかかる。そうであるなら農作物の被害補償制度を市として早急に整えるべき」と要求しました。市の答弁は国や県の補助制度などを紹介するものにとどまりました。

 

 さらに販路確保の視点から学校給食との連携強化についても提案しました。

 

松村 草加市では地場産農産物の使用量も把握している。本市でも全量を把握して目標をもって使用量を引き上げてほしい。また有機・無農薬・減農薬に取り組む農家が増えていることから食材購入の補助制度をつくって有機・無農薬農産物の使用を促す制度をつくることを提案する。

副教育長 地場産農産物は6月と11月に1週間、品目数の割合を調査しているので継続したい。この品目数で30%を目標に積極的に取り組んでいる。有機・無農薬野菜の使用を促す補助制度は供給量が少ないので学校給食で活用するのは難しい。

 

 教育委員会の答弁は現状維持を主張するばかりで、食育の立場で本市の農業者との連携を強化する考えは示されませんでした。

2209 一般質問(松村)④

保育所は「人口増を見込めない施設」?

 さいたま市は清水勇人市長が主宰する「都市経営戦略会議」でこれまで武蔵浦和義務教育学校やケアラー支援条例など市政の基本方針や重要施策等を決定してきました。
 3月の保健福祉委員会に報告された公立保育所半減を含む「公立保育所のあり方に関する基本方針」も同会議で決定されたものです。
 6月13日、私は公共施設マネジメント計画(公共施設管理計画)で「成長・発展を支える核となる施設」は面積削減の対象外としていることと、保育所の位置づけの関係を質しました。

 

松村 公立保育所は、成長発展を支える核となる施設ではない、ということか。

 

財政部長 核となる施設とは「地域経済の活性化や人口増加が見込まれる施設」。保育所は該当しない。

 

松村 保育所こそあてはまるのではないか。

 

財政部長 施設設置で人口増加が見込まれる施設に保育所は該当しないと考える。

 

 私は「驚きの答弁だ」と保育所は地域経済の発展や人口増加と無関係とした市の姿勢を批判しました。
 市は公立保育所削減ありきですが、保育所の異常な位置づけがおおもとにあることが明らかになりました。 
 日本共産党市議団としてもまだまだ保育所が足りない中での公立保育所半減計画の撤回を求めています。   
 私自身、子どもたちが公立保育所にお世話になりましたが、民間であれ、公立であれ、申し込めばどの子供も入ることができるのが当たり前のはずです。それこそが国や自治体など行政の責任です。さいたま市はその責任を放棄しようとしていることは絶対に認められません。

2206 議案外(松村)①

ジェンダー視点で校則の見直しを

時間が経ってしまいましたが、昨年12月議会文教委員会での校則に関する質問の報告です。

12月議会は全体ではコロナ対応が一番の議論になったわけですが、もちろん生活は続いているので、様々な要求・課題についても党市議団として取り上げています。
そのなかで私は今回、校則についてとりあげました。

昨年(2020年)9月議会でも校則についてちょっとだけとりあげたのですが、そのときに市教育委員会が
「『不合理な校則の見直しプロジェクト』を立ち上げた」という答弁をしました。

その時の市教委答弁は以下の通りです。

校則を定める理由は何か?
「小学校、中学校、学校種に応じて、やはり児童生徒の発達段階がかなり違ってきます。児童生徒に必要となる決まりをそれぞれの学校で定めているというふうに捉えております。

校則見直しのプロセスは?
「今年度(2020年度)なのですが、教育委員会のほうでは不合理な校則の見直しプロジェクトというものを立ち上げました。手続ということなのですが、校則につきましては、最終的には学校長が学校の責任において決めるわけですが、そこに至る過程では、児童生徒や保護者の意見を聞いたり、児童生徒の話し合う期間を設けたりして、教職員の話合いを経て見直しを図っているところでございます。また、先ほどの見直しプロジェクトにおいては、教育委員会といたしましては、そういった生活の決まりが形骸化することのないように、しっかりと見直しを図るように指示しております。」

国会では「校則の内容については学校を取り巻く社会環境や児童生徒の状況の変化に応じて、絶えず積極的に見直す必要がある」(2020年2月・萩生田文科大臣)という答弁もありました。
社会的にも「ブラック校則」として社会問題にもなってきたなかで、さいたま市も考えはじめたということでしょう。

ただ、この時は時間切れでほぼツッコミなしで終わってしまったので、12月議会で「続き」的な質問をしました。

質問内容を6分ほどの動画でまとめたので、ご覧ください。




以下は動画と被る内容ですが、質問と答弁を紹介します。

校則を決めることには色々な議論があります。
私は、もっと簡易な約束程度のもっとゆるくていい、という考えを持っていますが、市教委は必要だから決めているというスタンスです。
保護者の間でも意見は様々でしょう。

こうしたなかで校則を単に否定しても平行線になってしまうので、校則を定める理由をまずハッキリさせようと校則が必要な理由を質問しました
校則に関する認識の違いを明らかにして、今後の議論の土台にしたいと考えたからです。

答弁は以下の通りです。

「中学生になると行動範囲も広がり、加えて思春期という心の変化も迎えていく中で、反発心が高まったり問題行動などが表れやすく、また身なり等にも関心を持つようになってくるといった特徴が一般的に挙げられます。 そういった中で、問題行動への予防や対策、また規律や社会的ルールを学ぶ場として、子供たちの規範意識を育成していくことが重要になってまいります。そこで、中学生という時期には、頭髪あるいは服装等に関する一定の決まりが必要になる時期であるというふうに考えているところです。」

「校則は子供たちが健全な学校生活を営み、よりよく成長していくための行動の指針として必要となる決まりを、各学校において適切に判断し定めているものでございます。また、一律の基準があるものではなく、子供たちの実情、保護者や地域の皆様の考え方、あるいは社会通念などが反映されるものでございます。したがいまして、これらに応じて校則の内容や指導が適切なものとなるよう見直しをしていく必要があるというふうに捉えています。」

長くなってしまいましたが、市教委のスタンスが表れているので、紹介しました。

これに対し、私としては、中学生になったから、と校則であれこれ縛るのではなく、
「中学生になって発達段階が上がったからこそ、より自ら判断する力を育てていくことが必要。発達段階から言えば、より自分で選んでいく力を身に着けることの方が大事と考える」
ということを述べましたが、この辺の感覚のずれは大きいので繰り返しの議論が必要と感じています。

今後の校則見直しの方向性についても質問しました。
「不合理な校則」「社会通念などが反映」といってもその内容が定かでないため、2点ほど質しました。

一つは「ジェンダーの視点」です。
例として「女の子はスカート」、「髪型を男女別に決める」ということや「ルーツが様々な子どもがいるもとでの多様性の尊重」を指摘して
「ジェンダーの視点からは、あれこれ校則で決めてしまうのは問題がある。見直すべき点の一つではないか」と質問しました。

学校教育部長は「教育委員会としてもジェンダーや多様性を尊重することはとても大事なことだ考えいる。校則を見直すうえで十分に配慮する視点であるという認識で進めたい」と答弁しました。

おそらく「ジェンダーや多様性の尊重」の具体的中身について、学校現場では旧態依然とした実態がまだあります。

1月に予定されていた(中止になった)校外学習の保護者説明会に行ったとき、学校の様子を話した先生は「お母さん方」という呼びかけを何度もしていました。
私だけでなく、男性の保護者も何人かいましたし、家庭の事情によっては父母でない保護者の方もいることでしょう。

言葉の上で「尊重します」と表明するのは簡単ですが、そのことが組織として実際に共有されているのか、は別の問題だと思い知らされるできごとでした。

他にもジェンダーに関する相談がこの間、いくつか寄せられています。校則見直しの議論の中で認識がお互いに深まるよう努力したいと思います。

もう一つ質問したのは、「スクールセクハラや人権侵害につながる校則には効力がないと考えるか」ということです。
「校則を守らせる」ことが目的になって下着チェックや髪の染色強要などが全国で問題になっています。「校則見直し」のなかでかえって抑圧的になってしまってはならないという思いで質問しました。

答弁は「人権侵害あるいはスクールセクハラに結びつく校則の指導は報道を見て驚いた内容もあった。教育委員会としてはこのような指導は看過できない」というものでした。

聞いたこととずれた答弁にはなっていますが、「ダメだ」という認識は確認できたかなと思います。

ただ、これも学校現場でどうなっているか、についてはジェンダーの問題と同様、課題がまだあると思います。
特に「校則を守らせる指導」は文書にはあらわれてきません。問題と思うことや実態があれば情報をお寄せください。取り上げていきます。

今回の校則についての質問時間は、関係もあって、教育委員会の認識を確認する質問が主になってしまいました。
私自身は、いまのさいたま市立中学校は子どもたちを抑圧しすぎていると感じています。ギュウギュウ締め付け追い立てすぎていると感じています。

ジェンダー平等や子どもの権利といった近年、大きな社会課題となっている問題に学校教育が対応できていない現状が反映しているのではないでしょうか。

引き続き、子どもたちが自分らしく学校生活が送れる、子どもたち一人ひとりが尊重される教育環境づくりにとりくんでいきます。


2012 議案外質問(松村)

さいたま市 次の10年はコロナ禍ふまえた計画に

「さいたま市総合振興計画基本計画」の討論・採決が特別委員会で行われ、日本共産党さいたま市議団を代表して討論を行いました。

次の10年のさいたま市の基本計画を決めることになるので、重大です。

これまでの計画で浦和駅と大宮駅・さいたま新都心駅を中心にした「2都心4副都心」構想を進め、6000億円ちかい税金をつぎ込んできました。
次期計画で次の10年も同じ都市構想で進む内容になっています。

一方で、今回のコロナ禍(パンデミック)を通じて、
①医療体制のぜい弱さ、
②保健体制のぜい弱さ、
③子育て関連施設でソーシャルディスタンスがとれない、
④人が集まることが感染を広げやすくする、
などの問題がさいたま市では明らかになったのに、まったくこういったことが次期計画では考慮されていません。

くらしや福祉については自助・自己責任、
税金を使う中心は大型開発、
という姿勢は前計画から引き継いだものですが、コロナ禍でこれまで以上に際立つことになりました。

市政の重心を医療、保健、福祉、子育てといった自治体本来の仕事にシフトするよう求め、次期計画の内容を見直すよう求め、反対しました。
(他会派の賛成多数で次期計画は成立)

2011 総振討論①



以下は特別委員会での私の討論です。


日本共産党さいたま市議団の松村としおです。
議案第169号「総合振興計画基本計画の策定」、次期総振計画に反対の立場から討論をします。
 本計画は2021年度から10年間の本市の基本計画となります。次期計画の議論と新型コロナの流行拡大とが同時並行で進んだことから市執行部においても様々な難しさがあったことと思います。しかし、新型コロナが一定期間にわたって財政や経済などに影響が見込まれることは執行部も認めるところであり、社会への大きなインパクトを考えれば、パンデミックにかかわって次期計画を見直すことが必要と考えます。
 とりわけ、医療・保健・子育て・教育の分野は新型コロナによって多くの課題が浮き彫りになりましたが、次期計画ではその対応が十分に書き込まれていません。
 一つは、政令市中最低の人口当たりの医師数・看護師数・病院ベッド数であるという本市の最大の弱点があらわになりました。パンデミックのもとでは東京の病院にこれまでと同じようには頼れないのですから、医療体制の抜本的強化が計画に盛り込まれなければなりませんが、明確な記述がないのは問題です。
二つ目には130万人を超える人口にもかかわらず、保健所が一か所のみで、すでに第3波がはじまっていますが、十分な対応がとれているとは言えません。一定の対応はしてきましたが、専門性も必要な部署ですから、計画的に人員増強をはかり、次期計画中の早期に2か所目の保健所設置を行うことなど抜本的な体制強化を計画に盛り込むべきです。
三つ目には子どもに関わる公共施設で社会的距離を保てないことが明らかになりました。子どもたちの心身への適切なケア、健やかな成長と学びを保障するためにも、次期総振において施設面積の基準を拡充したり、少人数学級を計画的に進めるなどすることが必要ですが、それらのことが明記されていません。公共施設マネジメント計画の抜本的な見直しとあわせて記述を見直すべきです。
 
 また、今回のコロナ禍は、財政や将来都市構造の在り方についても見直しを迫っています。
これまで将来都市構造の中心的な課題として2都心4副都心計画を推進し、本市始まって以来、6000億円近い税金がつぎ込まれてきました。次期計画の将来都市構造においても引き続き拠点とされ、都市機能の集積を進めるとしています。しかし、パンデミックがひとたび起きれば、人口が密集し、多人数が集まっていることは弱点になることが明らかになりました。しかも、人口の呼び込みが進むほど保育所・学童保育所が不足し、学校は過大規模校化するなどいびつなまちづくりが進められてしまいました。市民会館おおみやの移転に象徴されるように、現地建て替えの3倍にもなる300億円を支出する税金の無駄遣いも誘発してきました。そのうえ、周辺市街地が置き去りにされ、バランスを欠く都市構造が生まれました。「機能集積」、「選択と集中」、「拠点開発」のかけごえで2都心4副都心開発を進めてきましたが、財政・まちづくりのゆがみに無反省なまま次期計画でも同じ将来都市構造を続けることは認められません。10区の均衡を図り、本市のどこであっても住みよいバランスの取れたまちづくりをこそすすめるべきです。

 経済的な影響も続くことが見込まれるもとで、財政状況も不透明な見通しにあります。このうえ大宮駅GCS、地下鉄7号線延伸、LRTといった2都心4副都心に付随した大型公共事業はいずれも事業費が明確になっていません。このまま進めれば多額の税金を投入することになるのは明らかです。総括質疑でもこの点を質しましたが、医療、保健、福祉、子育てといった自治体本来の仕事を削減し抑制してきた現行計画と同じことを繰り返しかねません。計画の見直しにより、財政上も市民のくらしと命、健康を守ることに重点を置くことを強く求めます。
 「住民福祉の増進」という地方自治の原点に立ち返り、新型コロナで明らかになった課題に正面からとりくみ、子どもからお年寄りまでだれもが住みよい、どこでも住み続けられるまちづくりを進めるための次期総合振興計画に見直すことを強く求め、反対討論とします。

学生支援を国に求める請願で賛成討論しました

日本民主青年同盟埼玉県委員会のみなさんが、フードパントリーなどに取り組む中で聞いていた学生たちの声の中から、国への支援を求める決議をさいたま市議会としてあげるよう求める請願が出され、日本共産党さいたま市議団が紹介議員となりました。

私の出身大学である埼玉大学の学生たちの声も多数あり、学業や生活、就職などあらゆる面で不十分な支援しかなく、不安な思いを募らせている姿には心が痛みました。
私自身、いわゆる「就職超氷河期」「ロストジェネレーション」と言われた世代です。
コロナ禍で世代丸ごと置いてけぼりにすれば、大きなしっぺ返しを日本社会がくらうことになります。学業や生活、就職で国を挙げた支援が必要だと討論でうったえました。

結果は残念ながら不採択でしたが、議員たちが普段接しない学生たちの生の声が議会で紹介されたことの意義は大きいものがあったと思います。

以下はさいたま市議団ニュース(№890)からの転載です。
続いて請願そのものと私の討論要旨を紹介します。ぜひご一読ください。

2009 議案外(松村)②


コロナ禍で苦しむ学生に目を向けて
 9 月14 日、文教委員会で「高等教育への補償・支援の抜本的拡充を求める請願」の審査がおこなわれ、松村としお市議が討論にたちました。
 この請願は、提出者である民青同盟埼玉県委員会が学生から聞きとった声をもとに、国に支援を求める意見書を上げることを求めています。
 松村市議は、「オンライン授業で家にいることで光熱費が高くなった」「バイト先が営業時間短縮で収入が減った」「就職活動がどうなるか不安」などの学生の声を紹介し、「国の学生支援緊急給付金は要件も厳しく、一部の学生しか利用できない。もっと学生に目を向けてほしい。学生向けの給付金を求める要望が寄せられている」として、「未来を担う学生たちのこの状態を放置することは、若い世代に傷跡を残すことになりかねない。学費の負担軽減、生活費の支援、学びや就職での不利益を生まない対策などを国籍問わずとるよう求める請願者の願いは、日本の未来を大切に考えることと同義」として採択を主張しました。
しかし、他会派の反対により不採択となりました。

                                                      

高等教育への補償・支援の抜本的拡充を求める請願

私たち日本民主青年同盟(以下:民青同盟)は、コロナ危機の勃発以降、全国で「新型コロナウイルスに関する青年生活実態調査」に取り組み、青年の実態や声を集めてきました。そこでは、高校生から青年労働者まで若い世代が、仕事や学業、生活そのものにおいてコロナ危機の底知れぬ影響を受け、困難に陥っている状況が明らかになっています。とりわけ、高等教育である大学・専門学校等で修学する多くの学生が困難な状況におかれています。
コロナ禍において高等教育の現場とそこで学ぶ学生の生活は、今もなお自粛・休校要請の余波を受けて先行きが不透明なままです。コロナ危機に関わる学生への対応や対策が、非常に遅れている現状があります。この間、民青同盟では、各地の主要駅や大学の近辺など埼玉県内 10 か所でのフードパントリー(食糧配布)を実施し、その中で寄せられた学生の声として「アルバイトが減った、できない」「食費を削っている」「オンライン授業の限界」などがあり、経済的困窮だけでなく学ぶことや学校生活に対する喪失感が寄せられました。
日本では、高等教育の社会的位置づけは、海外と比べても「受益者負担」論が色濃く、学費や返済が必要な(貸与型)奨学金の重い負担などを「自己責任」とされる傾向も根強くあります。まさにコロナ危機において、いま多くの学生がそのもとに晒されています。しかし、高等教育で修学し成長した学生が、あらゆる産業・分野で社会的に貢献し、社会経済活動にさまざまに力を還元することを考えれば、ここでの学生の救済は急務であり、意義深いものになると確信するものです。
学生の学びや生活における困窮を直視し、手厚い補償と学生生活の質的向上に力を尽くすよう、以下のとおり国に求める意見書をあげていただきますよう、請願いたします。
請願項目
1. 今年度の大学・専門学校の学費そのものの半減を実現すること
2. 「学生支援緊急給付金」の対象と申請期間を抜本的に拡充し、その周知徹底を図ること
3. 授業のリモート化に伴い、発生する学生の負担軽減支援策や授業料の減免などの経済的支援ができるよう、充分な財政措置をとること
4. 実習や実技が伴う単位の取得、就職活動で学生に不利益が生まれないよう、国としての対策を徹底すること
5. 日本への留学生及び海外留学中の学生についてその実態をつかむよう努め、国籍を問わず国内の学生と同様の補償・支援が受けられるよう徹底すること
以上、地方自治法第 124 条の規定により請願いたします。

                                                      

2020年9月議会 文教委員会
請願第23号「高等教育への補償・支援の抜本的拡充を求める請願」討論

 日本共産党の松村としおです。
 請願第23号「高等教育への補償・支援の抜本的拡充を求める請願」について採択を求める立場から討論をします。
 本請願は、日本民主青年同盟埼玉県委員会が学生たちから直接聞き取った声をもとに、国に支援を求める意見書を上げることを求めるものです。
 請願者が学生たちから聞き取ったアンケートの自由記述で共通していたものをいくつか紹介します。
「オンライン授業で家にずっといることで光熱費が高くなった」
「アルバイト先が営業時間の短縮で収入が減った」
「留学ができなくなった」
「就職活動がどうなるか不安」などなどです。
学生たちは新型コロナのもとで生活、学び、就職と様々な不安を抱えています。学生支援緊急給付金など国の支援もありますが、要件も厳しく、一部の学生しか利用できず、たいへん不十分です。
こうしたなかで「もっと学生に目を向けてほしい」「満足した授業が受けられないのに授業料が変わらない」「学生向けの給付金を」と支援を求める要望を現政権支持だという学生も含めて書いています。
未来を担う学生たちのこの状態を放置することは、この世代に傷跡を残すことになりかねません。学生の実態を踏まえた国を挙げての支援が必要です。学費の負担軽減、生活費の支援、学びや就職での不利益を生まない対策などを国籍問わずとるよう求める請願者の願いは、日本の未来を大切に考えることと同義であると考えます。よって本請願の含意は妥当であり、採択することを求め、討論とします。