松村としおのブログ

  ★くらし・平和を守る政治を! 松村としおの活動日記★ さいたま市議会議員(緑区選出・日本共産党)

議会質問

子育て支援と逆に削減へ向かうさいたま市の異常

2月20日の予算委員会(保健福祉委員会関連)で質問をしました。

子育て支援について、保育所と学童保育をとりあげました。

公立保育所半減はやめて増やすべき
保育所については、公立保育所の半減計画を令和5年(2023年)度につくろうとしています。
4月の認可保育所入所申し込みの結果、1次選考で不承諾の(入れなかった)子どもが昨年より471人増えました。

2302 保育所一次選考

にもかかわらず、中央区・桜区・南区では公立保育所の募集を停止し、計画ができる前から減らし始めているのです。

松村 昨年度より4月の不承諾数が、1歳児を中心に470人ぐらい増えている。 (保育)需要に追いついていない現状で減らし始めるのは政策的にミスではないか。
保育課長 募集停止にあたっては、近隣に保育の受皿等を確保した上で丁寧に説明をしながら進めたい。
松村 昨年度より実際に不承諾が増えている。(受け皿が)確保できていないではないか。
保育課長 地域における保育需要に対応できるように、今後も保育の受皿等をしっかりと確保した上で進めてまいりたい。
松村 現実を見てください。実際には入れていないではないか。

というやりとりをしたのですが、公立保育所削減ありきの姿勢で現実なんて知ったこっちゃない、という態度がありありでした。
私自身、子どもの保育園入所選考で入れなかった経験があり、その時の衝撃がいまだに忘れられません。毎年2000人前後の子どもの保護者がそういう思いをしているのに、寄り添う姿勢が全く感じられませんでした。
まだまだ子どもが増える見通しのさいたま市で公立保育所を減らすことは許されません。
これまでも何回かこの問題を議会で取り上げてきたのですが、撤回を引き続き求めていきます。

学童保育の委託金減額の中止を求める
もう一つは民間学童保育(放課後児童クラブ)支援を後退させようとしていることです。
昨年、民間学童で46人以上子どもを受け入れると、委託金(運営補助)を子ども一人当たり6万7千円減らすという方針が出てきました。2023年度から経過措置として段階的に削減し、5年後にはフルで6万7千円削減するというのです。
私の質問を通じて、新年度で29クラブ、1349万円の委託金削減であることがわかりました。
運営費をまかなうために、保育料の値上げをするか、別のものを削るかしなければなりません。
というわけで、次のようなやりとりがありました。

松村 来年度は29クラブで(委託金が)減らされるが、そういうクラブに対してどういうふうに支援や相談に乗っていくのか。
青少年育成課長 (委託金減額のクラブが)増えてしまった理由が、受入れ人数を多くしてくださったというところもある。引き続き個別にヒアリング等を行い(委託金減額の)経過措置の対象となるクラブに支援する。
松村 入所人数の見込みが予測通りにいかないのに、委託金額を46人以上という数字で区切って、1人当たり6万7,000円減らすのは不合理であることが明らかになった。制度を見直す必要がある。
青少年育成課長 私どものほうでも、想定し切れなかった部分もあった。引き続き支援をしっかりしていく形での制度設計に努めてまいりたい。
松村 支援になる制度設計になっていない。委託金を減らすのだから。受け入れ人数を多くしてくれたクラブもあったと。しかし頑張って受け入れたら、委託金額が減る。これはあまりにも ひどい。46人超えたら減らす仕組みはやめるべきだ。
青少年育成課長 制度の基は国の委託基準だが確かに指摘の事態 が生じている。経過措置の間に適正化を進めるとともに、制度そのものについても検討してまいりたい。
松村 影響額が1,349万円が出せないというのが本当に情けない。しきりで区切って単位を増やす話もあった。クラブの事情にもよるが対応を。
青少年育成課長 御提案のようなスタイルもあろうかとは思うが、個別に適した施設であればそういう手も使えると思う。1件ずつ丁寧に相談に乗って、適正規模化と併せて支援の充実に努めたい。
松村 今の話も含めて対応をお願いしたい。

さいたま市では、他市と違って公立学童のほうが少ない(普通は公立のほうが多い)ぶん、民間学童が多くなっています。さいたま市は責任をできるだけ負おうとしない姿勢が見え見えなのです。
民間といっても保護者会運営のところも少なくありません。働きながら学童クラブを運営する、というダブルワーク的なことをしていますが、クラブ運営はボランティアでやっているので収入にはなりません。でも放課後に子どもの居場所がなければ働き続けられないから、たいへんな思いをしながら運営をしているわけです。
それなのに罰を与えるようなことをさいたま市がやるのは許せません。
これも昨年にも質問で取り上げてきたのですが、引き続き減額制度の中止を求めます。

2302 予算(保福・松村)③

市民会館うらわの事業費 大きく膨らむ

2月16日の予算委員会(文教委員会関連)で質問に立ちました。
2302 予算(文教) 

一つは、市民会館うらわの移転計画についてとりあげました。
浦和駅西口の南高砂地区で進められている再開発ビルに移転する計画です。

新年度は約58億円の事業費(建設費)が計上されています。
移転の総事業費は167億円。
2019年度時点の想定120億円から大きく膨らんでいます。

昨年4月にオープンした市民会館おおみやは現地建て替えなら100億円との試算でした。
それが高島屋斜め向かいにつくられた再開発ビルに移転したことで事業費が最終的に275億円にまで膨れ上がりました。
その結果、ホール使用料が倍に跳ね上がりました。
多額の税金を使って造ったうえに、市民が使うのに倍のお金を払うというのは、行政の計画としてどう考えても失敗ではないでしょうか。
そこまでして市民にすべてのツケを背負わせてでも、ゼネコンと大手不動産の儲け口をつくることが行政の目的になっているのが地方政治の実態です。
そしてこうしたバカげた計画に反対した政党が日本共産党しかないのです。
いわゆる「オール与党」によって税金の無駄遣いに議会がゴーサインを出してしまっています。

これはさいたま市だけではありません。同様のことが全国でやられています。自民・公明政権がすすめてきた政策の結果です。
同じことが市民会館うらわの移転で繰り返してはならないと思っています。

そこで私は「建設事業費が大きくなることによって利用料が引き上がることはないのか」と質しました。
市は「高くなる想定をしている」と答弁しました。
結局、市民会館おおみやと同じことを繰り返そうというのです。

私は「現地建て替えであれば事業費を抑えられたはずが、再開発ビルへの移転で事業費を膨らませ、市民負担に転嫁させるやり方は問題だ」と計画の見直しを強く求めました。

あわせて、市民会館おおみやが使いにくい、という声が寄せられていることから、市民会館うらわについては会館を利用してきた団体・グループに意見を聞くよう求めました。
これについては「いただいている声も拾いながら、真摯に受け止め改善していきたい」と答弁しました。
というわけで、利用団体のみなさん、使いやすい施設になるようどんどん声を寄せてください。

二つ目は、3回目になる国際芸術祭についてです。私はこれまでも議会でくりかえし市民が主役になっておらず、国際的なアーティストのための芸術祭になっていること、日常からの市民の文化芸術活動への支援にこそ税金をつかうべきことを求めてきました。
今回も、市民参加の部分を大きくすることは党市議団として求めてきたところだとしてプロジェクトごとの事業費を確認しました。
全体で5.7億円ですが、そのうち
国際的なアーティストのためのアートプロジェクト約1.9億円、
市民プロジェクト約1億円、
連携プロジェクト約1000万円、
であることがあきらかになりました。

市民プロジェクトが前回の倍近い予算に増え、その分アートプロジェクトが減っています。
それでも比率がほぼ1:2ですから、まだまだ市民中心といいがたく、全体の予算額も5.7億円と大きなものになっています。私はさらに見直しをするよう求めました。

教育委員会に関連しては、部活動の地域移行について、時間がなかったので、とにかく教員におしつけることのないように、ということだけ質問しました。
これは今後の注意点でもあるので、引き続き取り上げていきたいと思っています。

あわせて、今回の予算委員会では金子あきよ市議が、教育データ可視化システム「スクールダッシュボード」についてとりあげました。
児童生徒に配布されたタブレット型端末で活用された情報や、全国学力・学習状況調査の結果など個人情報が一括して画面に表示され、管理されるシステムがつくられようとしています。
金子市議は「今年度は3960万円をかけて実証実験がおこなわれたが、課題はなにか」と質しました。
市は、「プロトタイプ(試作品)の配布が今年の1月で、ヒアリングをおこなっている」との答弁でした。
このような状況で来年度から全校への本格導入をおこなうというのはあまりにも早急です。
金子市議は「競争入札にするには検証と導入のための期間が短く、プロトタイプを作った事業者との競争で他の事業者が入札に参入できるだけの公開性と公平性を担保できるのか疑問」と指摘しました。
不透明な形で、学校でのDX事業が推進されるのは問題です。

と畜場・道の駅移転計画 293億円よりさらに増える可能性が

食肉中央卸売市場・と畜場(以下、と畜場)を現在の大宮区から見沼区宮ケ谷塔に移転し、「道の駅」とあわせてつくる計画が進められています。
大宮区→見沼区間の移転計画ですが、広大な農地をつぶすことになるため緑区の方からも自然保護などの視点から私のところに問い合わせや質問がたびたびきています。
今回、機会があったのでこのことを質問しました。

2302 議案外(松村)

なお、市の計画はさいたま市のホームページを参照ください。
さいたま市「道の駅」基本計画
https://www.city.saitama.jp/005/002/008/001/p080311.html
さいたま市「
食肉中央卸売市場・と畜場」基本計画
https://www.city.saitama.jp/005/002/008/002/p080314.html

場所はコチラ(上記基本計画より)
と畜場・道の駅計画地図

計画を見ると、
と畜場移転に232億円、
道の駅整備に61億円、
あわせて293億円、
という巨額の税金がつぎ込まれようとしています。


ちなみにさいたま市役所移転は221億円とされています(もっと増えると思いますが)。
しかし、計画をよく読むと予算の見込みが不透明なところが多々あるため確認の質問をしました。

松村 移転先は軟弱地盤。地盤調査したうえでの額か。

商工観光部長 調査前なので額として含まれていない。

松村 事業費が大きくなる可能性があるということか

商工観光部長 可能性としてはある


事業費が増える可能性があることを認めましたが、まず間違いなく増えるでしょう。

上記計画には牛肉の輸出なども盛り込まれています。最近は酪農・畜産が厳しいというニュースも多くあります。さいたま市に住んでいると酪農・畜産は身近ではありませんが、私は質問準備の段階で多少なりとも調べて驚きました。
国の牛肉輸出計画が2020年の289億円から2030年には3600億円へ急増する計画になっているのです。さすがに過大ではないかと。
国の計画はうなぎのぼり(牛ですが)の一方で、市のと畜頭数が減少傾向にあることが上記計画には書かれています。
願望レベルにしか感じられない国の計画に乗って大丈夫なのか、このことも指摘しましたが、市は先行きに楽観的でした。正直心配になります。

道の駅も客単価1人1600円(見込み)や年間来場者数100万人など想定が高くなっています。

私は「想定が高いのではないか。赤字になった場合の対応はどうか」と質問しましたが、
市は「(今後)PFI導入調査をするのでそちらで検討したい」との答弁にとどまりました。

事業費がさらに増えれば市民負担にはねかえることに加え、さまざまな想定が高く設定されている計画をこのまま進めて破綻すれば被害を被るのは市民です。
計画を撤回しろ、とは言いませんが、事業の精査と縮小(自然保護の観点からも)などで含めた身の丈に合った計画への見直しが必要です。

計画の全体的な課題については、とばめぐみ議員(見沼区)の解説動画がわかりやすいのでぜひご覧ください。

2023年度予算 市民の命とくらしを重視しているか質疑

2月2日の2月議会本会議で、市長が提出した議案(条例や予算)に対する質疑を行いました。

新年度予算の特徴は?

4月から始まる新年度の予算について、物価高騰やコロナ感染の波が続くなかで市民の命とくらしを重視する内容になっているかは重要なポイントです。

私は、市が「予算案の特徴」としているなかに物価高騰対策が明記されていないことをとりあげました。
財政局長は「(予算の)説明部分に記載している。物価高騰は重要な取り組み」として「児童福祉施設、高齢者施設、障がい者施設の運営事業者への支援や、商店街への補助の上乗せなどを継続していく」と答弁しました。
これらの施策は党市議団も求めてきたものですが、同時にすでにやってきたことの継続にとどまっています。

この答弁をふまえ、さらに次のやり取りをしました。

松村 物価高騰から市民のくらしや地域経済を守り支えるのは新年度予算の重要な柱であるべき。市民負担を軽減する新たな施策の主なものと予算額を示してほしい

財政局長 新たに市民負担を軽減する施策は計上していない。物価や経済の動向を踏まえながら、国の施策の効果や今後の国の対応、企業の賃上げの動向等も見極めつつ、適時適切な対応を検討していく必要がある。

松村 国の動向というが、新年度に国の補助金があった場合、負担を軽減する方向で積極的に活用する考えはあるか。

財政局長 国は財政を危機モードから平時モードへ転換していくと昨年6月の骨太方針で明記している。国の補助金がどうなるか不透明。答えるのは困難。

さいたま市は2022年度も、他市で行っている水道料金や給食費の一時無料をやりませんでしたが、新たな負担軽減策はないことを正直に(?)認めた上に、消極的な態度をとり続ける姿勢を示しました。

市民負担の軽減をどう行っていくか、予算委員会で積極的に提案するとともに、4月のさいたま市議選の争点にしていきたいと思います。

変わらぬ大型開発重視と福祉削減

清水市政の一貫した特徴に大型開発優先、福祉削減・負担増路線があります。
新年度予算でどうか確認したところ、2都心・4副都心開発に132億円をつぎ込む一方で、これまでカットしてきた障がい者・高齢者福祉や医療費は33億円相当であることがわかりました。


さらに、国民健康保険税の7年連続値上げ条例案も出されています。
物価高騰の下での負担増であり、6億円で値上げを回避できるにもかかわらず、「物価高騰は国保加入者に限定されない。赤字補填(不足分)を一般会計に求めることは他の健康保険加入者の理解を得ることが難しい」と市はあくまで負担増路線を続けるかまえでした。


「ポストコロナ」でいいのか

新年度予算案には「ポストコロナを見据えた」という言葉が繰り返し使われています。
私は「新型コロナの第8波の死者数が過去最大となっている。予算案はポストコロナが基調になっているが、対策はどうなっているか」質しました。

保健福祉局長は「第8波は陽性者が減少傾向」としつつ「インフルエンザの流行もあり、医療機関に大きな負担がかかっている」という現状認識を示しました。
そのうえで「課題として自宅療養者をはじめとした新型コロナ患者にいかに必要な支援を提供していくかが重要」として「国がコロナ感染症の位置づけを5類に変更するが市民の命と健康を守ることを最優先に、感染症危機のリスクに対応する予算を計上している。国の動向を注視しつつ、必要な施策を実施する」と答弁しました。


5類への変更にともなう国の具体的な対応内容がまだ明らかになっていませんが、新型コロナウイルスの新たな変異株が広がるなど予断を許さない状況です。
党市議団として医療・救急・検査・保健所体制の強化をつづく予算委員会などでも引き続き求めていきます。

この質問はさいたま市議会・録画配信で見ることができます。

令和5年2月定例会 2月2日(木) ◇本会議
(松村質問は2:19頃から)
https://saitama-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=2038

2302 議案質疑(松村)①

【物価高騰対策】市内中小企業・個人事業主へ給付金など支援を

12月議会では地域経済を支えている中小・個人業者の方への支援強化についても質問しました。

さいたま市が10月に発表した「地域経済動向調査」では「今後、期待する公的支援」を業者に聞いています。
1位「固定費(人件費・地代家賃等)への補助」(29.5%)
2位「設備投資への支援」(21.0%)でした。

さいたま市は設備投資への支援は9月議会の補正予算でも増額するなど推進してきました。
それはいいのですが、最も要望が強い「固定費補助」はしていません。

私は、上記の市の調査を示して
「新しい制度を作るのは大変だから、コロナ対策で行ってきた中小企業・個人事業主への給付金を物価高騰対策として実施を」と提案しました。
経済局長は「今回は(コロナのような)制限はない。がんばれば収入は増える」「給付金ではなく企業の努力に一部お手伝いをするのが経済局の思い」と答弁。
これに対し私は「事業者が厳しい状況にあり、手厚い支援が求められている。物価高は業者が自ら招いたものではない。いま行政が支援しないと事業継続が危ぶまれる。支援を強めるべきだ」
と重ねて給付金等の対策に取り組むよう強く求めました。

「がんばれば収入は増える」のがいまの経済状況だ、という経済局長の認識には疑問符がつきます。
がんばりを超えた物価高騰が続いています。
もちろん、ロシアのウクライナ侵略を一刻も早くやめさせることや、アベノミクスの失敗を直視して賃上げと消費税減税をすることが根本的には大事です。
かといって市としてもできることはやるべき、と言っていきたいと思います。


2212 議案外(松村)④